共育の素。

8月19日(日)、東田地区で開催された
「世界一行きたい科学広場 in 北九州」に行ってきました。
会場は、北九州イノベーションギャラリーと環境ミュージアム。

この日は「キミも科学者！夏休みじっけん教室」と題して、
地元の高校の科学部や理科部に所属する生徒たちが、
来場客にさまざまな科学実験を披露しました。

科学実験といっても、そんなに難しいものではありません。
ターゲットは、たぶん小学生だと思われますが、
会場の出展ブースにつめかけた子どもたちの姿を見ていると
さながら、お祭りの出店のような雰囲気。
昔も今も、子どもたちはワクワクさせてくれる
不思議な現象に心惹かれるようです。

もちろん、いい歳をした大人も十分楽しめるイベントでした。
実際、子どもといっしょに高校生の説明を聞いたり、
熱心に工作を手伝っている保護者の方もずいぶんいました。

小さい子に科学的な原理を説明するのは、とても難しいことです。
それでも高校生たちは、汗をかきながら懸命に説明していました。

高校生に話を聞いてみると、プレゼンテーションについては
「たいてい男子よりも女子の先輩のほうが人前で話すのがうまい」とのこと。
女子のほうが度胸があって堂々としているとか。
また「授業の宿題が多すぎて、なかなか研究の時間がとれなくて」と
進学校ならではの悩みを抱えている部員もいました。

このイベントに参加して、実験やプレゼンがうまくいっても、いかなくても、
きっといい「学び」の体験になったことでしょう。

実験の内容は、酸化・還元とか、吸熱反応とか、運動エネルギーとか、
中学の理科で習うような実験も多かったのですが、
なぜか中学生・高校生くらいのお客は、見当たりませんでした。

親子連れで参加したお客がほとんどのようでしたが、
子どもを引っ張っていけるのは、まあ小学生くらいまででしょう。
また、中学生になると理科離れが進むという現実もあるようです。

たとえば日本の理科教育についてのこんなデータがあります。
小学４年生で「理科の勉強が楽しい」と答えた子は57％、
中学２年生で、「理科の勉強が楽しい」と答えた子は18％
（ＩＥＡ国際数学・理科教育動向調査　2007年）

理科の授業がつまらないなら、こうした体験プログラムで
子どもの知的好奇心を刺激するのも一つの方法です。
今年で2回目だそうですが、一度体験して面白いとわかれば、
評判も広がるだろうし、年々来場客は増えていくと思われます。
中学生も友達同士でどんどん参加してほしいものです。

このイベントがきっかけで、科学的な事象に興味を持ったり、
出展した高校の部活にあこがれる子が増えるかもしれません。

今回、参加した学校と実施したプログラムは以下の通り（順不同）。

【東筑紫学園高等学校・照曜館中学校】
◎世界に１つだけのMyチョークを作ろう
◎液体窒素実験～－196℃の世界を体験しよう～
◎テルミット反応、◎粉塵反応、◎静電気で遊ぼう
◎エタノールロケット

【小倉高校】◎光(色)の正体、◎放電実験、
◎目の錯覚実験、◎空気砲実演、◎太陽の黒点を見よう、
◎顕微鏡を使った微生物の観察、◎竜巻発生の実演実験、
◎振り子の実験・エネルギー変換実験など

【戸畑高校】◎ＤＮＡを取り出そう

【高稜高校】◎持ち上がるビン、◎坂を登るボール、
◎ドライアイスの実験、◎色が変わる柱など

【鞍手高校】◎スライムを作ろう、◎ブルーボトル

【明治学園中学高等学校】◎重心コマを作ろう

【城南高校】◎成長する結晶、◎結晶の花、◎結晶の雪

【北九州高専】◎カメラ付ハイブリッド飛行船による映像受信
【九州工業大学】◎グライダーの展示、◎冷却パックを作ろう
【大学生合同】◎夏の２day創作ワーキング(折りたたみベンチ)

また、チラシによると前日の18日（土）には、
◎小倉工業高校の生徒による工作のワークショップ、
◎市内のハムクラブによるアマチュア無線のデモ＆体験教室、
◎北九州高専によるロボットのアトラクション
などが開催されたそうです。

実験や会場の写真は、こちらへ。